でんき屋さんは一見客お断り?
「あそこのでんき屋は、一見客お断りだから行かない」
ネットの口コミサイトに、このような低い評価を書くユーザーもいます。
もしかしたら、1回断られただけで、勘違いをされているのでは、と思うわけです。
どうして、そうなるのか?
ユーザーの中に、「こっちは客なんだぞ」という上から目線があり、
断られることは「恥をかかされた」と思うからです。
でんき屋さんの夏は激務です。
繁忙期は本当に寝る間を惜しんで、仕事をされています。
(中には、炎天下の作業が続き、熱中症になってしまう方もいるほどです)
さて、ユーザーからすると、
「こんな暑い日に、エアコンが壊れた!
あそこのでんき屋さんは、即日対応してくれるらしいから、行ってみよう!!」
エアコンを購入したのは大手量販店。
買った店ではなく、困った時だけ、お願いしたいというユーザーの気持ちも分からなくもありません。
なんせ、「即日対応」をうたっているから。
しかし、でんき屋さんは、少人数精鋭の店がほとんどです。
繁忙期はお得意様(既存客)の対応だけで精一杯です。
もしくは、早くから予約してくださった方が優先です。
突然来店して「即日対応してくれ」というのは、やはり虫が良すぎるでしょう。
ユーザーは、断られると、心のどこかで「そりゃそうか」と思いつつも、
「即日対応って書いてあるのに、ウソか!」と憤りをぶつけたくなるわけです。
ほとんどのユーザーは「そりゃそうか」と引き下がるわけですが、
一部の方は、モンスターに変身します。
それは、「一次対応が悪かったから」
たしかに、お得意様や予約客を優先するのは、当然ですが、
わざわざ来店してくれたユーザーに対して、
一見さんお断りオーラを出しながら
「お伺いできません」とあっさり断ったら、カチンときます。
「こんな繁忙期に突然対応しろ、なんて非常識な客」という気持ちが顔に出ているかもしれません。
そんな気持ちを察したユーザーが、「恥をかかされた」と思うわけです。
おそらく、そんなユーザーほど、普段は常識的な人で、仕事ができる方かもしれません。
あるでんき屋さんは、こう、返答されたそうです。
「暑い中、お困りですよね。
当店もそんなお客様を順次対応させていただいていますが、近日中にお伺いするのは、難しいです。
メーカーサービスの電話番号をお教えしますので、まず、そちらをご利用してみてください」
とメーカーの番号を教えてあげたそうです。
後日、そのお客様より
「忙しい中、電話番号を調べてくれて、ありがとう。
今度からはおたくに早めに連絡するね」
と言われたそうです。
もちろん、メーカーサービスも忙しく、電話が繋がりにくいかもしれません。
でも、「困っているのに、見放されたら、どうしていいか分からない」
という状態を回避できます。
このお客様も、
「この店は、その時にできる精一杯のことをしてくれた」
という認識を持ってくれたようです。
対応できないときに、どう返答するか。
「うちの店はどう対応しているだろう」
と、夏の繁忙期を迎える前に、一度考える機会にしていただければ、幸いです。